マイナ保険証で申請不要に!!高額療養費制度とは?

2025年12月2日からマイナ保険証の利用が義務化され、原則従来の保険証の利用が出来なくなります。
マイナ保険証を利用することで得られる大きなメリットの一つとして、高額療養費の手続きが不要(自動)になることがあります。
これは私達にとって利便性が高まる一方、制度の仕組みそのものへの理解や意識が薄れるという側面も否定できません。
こんなタイミングだからこそ、今回改めて高額療養費制度について詳しく学びましょう!
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、1ヵ月(同じ月の1日から末日)の医療費の窓口負担が限度額を超えたときに、その超えた金額が払い戻される制度です。
その限度額は年齢や所得によって異なり、この限度額を自己負担限度額といいます。

出典:厚生労働省
例えば、年収500万円の人がある病気の治療でひと月で100万円の総医療費が掛かったとします。
日本は皆保険なので、健康保険証を提示することで原則3割の自己負担となり、30万円を窓口で負担することになります。
上記の表「ウ」に該当しますので、この方の自己負担限度額は
80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円となります。
つまりこの場合、本来87,430円までしか負担する必要がない為、高額療養費制度を申請することで、窓口で負担した30万円からこれを差し引いた金額212,570円が払い戻しされます。
70歳以上の方の自己負担限度額は以下になります。

出典:厚生労働省
ただし、以下のような費用は高額療養費制度の対象にはならないので注意しましょう。
- 差額ベッド代(個室代等)
- 入院中の食事代
- 先進医療費
- 自由診療費(美容整形やインプラント等)
- 入院中の身の回り品等 など
治療が長く続くとさらに医療費が軽減される
過去12ヵ月に3回以上自己負担限度額を超えた場合には、4回目以降さらに限度額が引き下がるしくみがあります。これを多数回該当といいます。
例えば先程の例と同様、年収500万円の人がひと月に30万円の医療費を自己負担した場合、高額療養費制度により自己負担限度額は月約8.7万円程に抑えられますが、もし治療が長引きその金額をずっと支払い続けるのはやはり負担が大きいです。
そこでこの場合、4カ月目(4回目)以降の自己負担限度額は44,400円に軽減されます。
<70歳未満の方の区分>

出典:厚生労働省
自己負担額は世帯で合算可能
世帯で複数の人が同じ月に病気やケガをして医療機関を受診したときは、自己負担額は世帯で合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合には、その超えた額が払い戻されます。

例えば標準的な会社員の例(ウ)の場合ですが、仮に夫の月の医療費の自己負担額が7万円、妻の月の医療費の自己負担額が3万円掛かったとします。
この場合、本来どちらも単独では高額療養費制度の対象にはなりませんが、2人の医療費を足すと合計10万円となり、これが高額療養費制度の対象になります。
このように世帯の医療費を合算できるしくみを世帯合算といいます。
但し、70歳未満の方が合算できる自己負担額は、21,000円以上のものに限られます。(※70歳~74歳の方はすべての自己負担額を合算可能)
また、世帯合算の対象となるのは同じ健康保険に加入している被保険者と被扶養者の世帯です。
夫婦共働きなどそれぞれが別の健康保険に加入している場合の配偶者の医療費や、後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上)の医療費は合算の対象となりません。
マイナ保険証で原則申請手続き不要に
この高額療養費制度ですが、これまでは原則窓口で一旦医療費を全額(1割~3割)支払い、高額療養費支給申請書を提出することで、後日自己負担限度額を超えた分の金額の払い戻しを受ける事後申請というやり方が一般的でした。
この場合、申請から払い戻しまで3ヵ月~4カ月以上かかってしまうこともあります。
これを解消する方法として、事前に限度額適用認定証を申請し入手することで、医療費の窓口負担を自己負担限度額までとすることができます。
ただこれには有効期限があり、事前に高額な医療費がかかることを知り、予め申請しておけるケースはかなり限られてしまいます。
しかし、マイナ保険証を利用することにより、これらの申請や手続きをすることなく、窓口で負担する医療費は原則自己負担限度額までとなります。
これはとても便利ですよね。
正直これまでは、申請のし忘れや、そもそもこの高額療養費制度を知らなかったことで、本来払い戻される医療費を受け取れていない方が一定数いたと思っています。
まだまだマイナ保険証(デジタル化)に抵抗がある方は多いかもしれませんが、このようなメリットもしっかりあることをお伝えできれば幸いです。


