FPが考える「必要な保険」とは?

現在様々な保険商品が溢れていて、その種類の多さから、どれが必要なのか分からなくなってしまっている方も多いのではないでしょうか?

また、昔なんとなく入った保険をそのまま放置してしまっているという方もいるかもしれません。

FP=保険を売る人というイメージを持たれる方も多いかと思いますが、本当に必要な保険とはどのような保険なのでしょうか?

今回は、「一切保険を売らないFP」の私の保険に対する考え方を記事にしました。

必要な保険とは

保険で備えるべきものは、可能性は低いけど実際に起きたら経済的ダメージの大きいものと考えています。(上図左上)

実際に起こってしまった際に「貯蓄などで賄えないようなもの」や「その後の人生設計を大きく変えてしまうもの」です。

そこでこのようなものこそ、相互扶助の仕組みで成り立つ「保険」を利用して、そのリスクを転嫁するべきです。

しかし、貯蓄額や考え方などによって、何がこれに該当するのかは分かれると思います。

例えば医療保険。手術や入院の発生頻度は比較的少ない方と言えそうですが、その費用が「その後の人生設計を大きく変えてしまうか」は、貯蓄額や医療に対する考え方によるのではないでしょうか。

ですから、何が必要で何が不要な保険かは一概には言えません。

しかし多くの方にとって、生命保険・自動車保険・火災保険はおそらく可能性は低いけど実際に起きたら経済的ダメージの大きいもの(上図左上)に該当する保険ではないかと思います。

それでは、この3つの保険が必要だと思う理由を説明します。

生命保険が必要な理由

その方の「死」により残された家族の生活が困窮してしまってはなりません。それに備えるのが生命保険です。

万一の時に十分なお金をすぐに準備できない可能性がある場合、必要といえるでしょう。

様々なタイプの生命保険があり、どれが適しているのかは各ご家庭の状況や、考え方によると思います。

そして生命保険は定期的な見直しが大切です。特にライフステージに変化があった時は、見直すいいタイミングといえるでしょう。(結婚、出産、家の購入、離婚、子供の独立、親の扶養開始、定年など)

いっぽう年金等を踏まえて、残された家族が困らない資金が確保できた場合や、独身者などは不要となるかもしれません。

自動車保険が必要な理由

自賠責保険(強制保険)は自動車を所有する全員に加入が義務付けられています。

ところが、自賠責保険では「人に対する最低限の補償」までしかカバーされません。

具体的には死亡の場合で3,000万円、後遺障害となった場合でも最高4,000万円までです。

しかし、実際に自己の重大な過失により事故を起こした場合、1億円を超える賠償金を命じられることは珍しくありません。

自賠責保険と貯蓄だけでは賄えないため、自動車を運転する以上加入しておいた方がいいと言えるでしょう。

ちなみに自分の車に生じた損害を補償するものとして「車両保険」がありますが、これが必要かどうかはまた人それぞれでしょう。上図を参考にしてみてください。

火災保険が必要な理由

火災保険は建物や家財などが、火災や落雷などで損害を受けたときに、その復旧費用を補償する保険です。

なぜ火災保険が必要かというと、失火責任法という法律で「火災をおこして他人に損害を与えても損害賠償は負わないこと」となっているのです。(※故意や重大な過失がある場合を除く)

つまり隣家の火災が自分の家に燃え移り、もし自宅が全焼してしまっても原則損害賠償請求はできないので、自分の火災保険を使って補償を受けることになります。

どんなに自分が火の取り扱いなどを気を付けていても、防ぐことはできません。

ちなみに火災保険では地震・噴火・津波による損害は対象外なので、これらの補償を受けるためには併せて「地震保険」に契約する必要があります。

医療保険は不要?

上記でも書いたように、医療保険に対する考え方も人それぞれあると思います。

しかし、日本は国民皆保険で原則全員が「保険料」を払っており、まずは公的な保険(健康保険など)から受けられる保障について知ることが大事だと考えています。

代表的なものとして「高額療養費」があります。

これは同一月に掛かった医療費の自己負担金が、一定額(自己負担限度額)を超えた分については後に返金されるという大変手厚い制度です。

しかし、この制度を知らずに民間の医療保険に加入している方は結構います。

いっぽう、高額療養費では「差額ベッド代」は対象になりません。「入院時は個室に入りたい」というような場合、貯蓄や民間の医療保険で対応する必要があります。

医療保険は公的に受けられる保障について知った上で、足りない部分について検討することが大切です。

まとめ

今回は必要な保険について記事にしました。

可能性は低いけど実際に起きたら経済的ダメージの大きいものについて保険で備えることが大切です。

しかしそれが何なのか、幾ら掛けるかは人それぞれ考え方があり違って良いのです。

保険は「安心を買う」という買い物と言えるでしょう。周りに流されず、自分達の価値観で保険選びをすることが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございました。