インフレっていいこと?私達はどう行動していけばいいのか。

最近テレビなどで「インフレ」という言葉をよく耳にするかと思います。

言葉の意味は何となく分かるかもしれませんが、一体なぜそうなってしまうのか?インフレっていい事なのか悪い事なのか?今後どうなっていくのか?

そこまで理解されている人は少ないのではないでしょうか。

今回はインフレって何?というところから、インフレの種類について、そして「私達はこの先どのように行動していけばいいのか」について解説していきます。

良いインフレと悪いインフレ

インフレとは「モノやサービスの値段が上がる状態」のことをいい、その逆にモノやサービスの値段が下がる状態のことを、デフレと言います。

消費者だけの目線で考えれば、デフレ(=値段が下がる)の方が良いような気がしますが、経済的には緩やかなインフレが良いとされています。

本来インフレとは、需要>供給の状態であり、値段を上げることで企業は儲かり、従業員の給料が上がり、たくさんお金を使う(消費する)⇒さらに値段が上がる・・・という循環をもたらします。

急激なインフレはよいことではありませんが、緩やかなインフレが進む状態は景気が良くなっているということであり、経済理論上は理想と言えます。

この良い状態のインフレのことを、ディマンド・プル・インフレといいます。

では現在の日本では、毎月のように食料品などの価格が上がっていますが、良いインフレと言えるでしょうか?

まず、需要と供給の関係ですが、特段需要が増えたわけではありません。

牛乳やパン調味料など、生活する上で欠かせないモノばかりが値上げされています。

現在の値上げは、輸入品価格の上昇や物流費(ガソリン価格)の上昇などが主な要因になっています。

企業は「値上げせざるを得ない」状態であり、これでは値上げをしたところで利益は上がりません。

つまり給料は上がらないのに、物価だけが上がってしまっている状態なのです。(※賃金上昇率<物価上昇率)

このような状態のインフレのことを、コスト・プッシュ・インフレといいます。

言葉を覚える必要はありませんが、本来インフレが緩やかに進むことは良いことであり、インフレには良いインフレと悪いインフレがあるといことを押さえておきましょう。

私達はこの先どう備えていけばいい?

先程説明したように、現在の日本は悪いインフレ(コスト・プッシュ・インフレ)の状態にあります。

こうなってしまった背景には、ロシアのウクライナ侵略やコロナ後の原材料価格の高騰などがあり、これらが落ち着くことで急激なインフレはある程度は収まっていくと考えることができるでしょう。

しかし、私達日本人はバブル崩壊後30年以上に続くデフレ(値下げ)にすっかり慣れてしまい、インフレ(値上げ)を受け入れることに慣れていません。

もちろん国の政策や企業の努力によって、インフレ率相応に賃金が上がっていくことが望ましいです。

しかし残念ながら原則は、「モノやサービスの値段が上がらない(上げられない)以上、給料は上がらない」のです。

まず私達1人1人がこのことをしっかり認識しておく必要があります。

そして消費者として「値下げ」を要求するということは、そこで働く側の人にどのような影響があるかも考えなくてはなりません。

今後私達消費者は「値段の安さ」を求めるのではなく、その「価値の高さ」を求めることが大事になってくると思っています。

モノやサービスの値段は上がったとしても、今後その「質」は更に進化していくハズですし、その「種類」も更に多様なニーズに合わせて増えていくハズです。

そして私達消費者がその価値をしっかり「選択」していくのです。。

インフレ化でも値段に見合った価値を提供できる企業だけが生き残っていき、さらに私達にとって便利なモノやサービスが生まれ、経済は発展していきます。

1人1人が「有意義なお金の使い方」と向き合うことが、今求められているのではないでしょうか。